2009.09.26 その2
ネイティブアメリカンな一日 vol.2
夕方、約束の時間より少し早く、スエットロッジを体験するためにアイルさんとアダムの家へ向かう。
アダムの家の裏庭は広い野原のようになっていて、そこにはすでにスエットロッジが用意されていた。
アダムのところにはわたちたち夫婦の他、ニューメキシコ、メキシコ、またドイツ出身のアダムを慕う若者が数人滞在していた。
中にはネイティブアメリカンの方もいて、そんな国際色豊かなメンバーが近々行われるというアースダンスの準備をしていた。
忙しくテントを張るみんなにモトキも参加してお手伝いさせていただく。
言葉はあまり通じ合わないけど、でもジェスチャーと共同の力仕事を通してずいぶん打ち解け合ったみたい。
わたしはアイルさんと野原のベンチに座り、スエットロッジの捧げものとして折鶴をいくつか折った。
ちなみにスウェットロッジとは、浄化やヒーリングなどの目的で行われるラコタ族の伝統儀式のこと。
今日の儀式は再生、生まれ変わりの儀式だと聞いている。
ロッジのドームは母親の子宮を形どったもので、木のフレームは人間のあばら骨をあらわしている。
スウェットロッジ内では4つの方角(東西南北)へジャーニーし、また様々な精霊やスピリットがジャーニーの手助けをしてくれるという。儀式が終わり、スウェットロッジから出た後は、新しく生まれ変わった自分がそこにいるということ。
アースダンスの準備をしていたみんなもロッジの中に入り、生まれて初めてのスエットロッジが始まった。
スウェットロッジのドームの外では焚き火が行われ、その中でお昼から焼かれて赤く熱っせられた石が4回に分けてスウェットロッジの中に運ばれた。
スウェットロッジの中に運ばれた石には祈りの言葉とともに何度も水が掛けられ、ドーム内はあついあついスチームサウナのようになる。
何も見えない真っ暗なロッジ内に赤い石が持ち込まれると、赤い石のほのかな光でみんなの顔が照らしだされる。
息苦しいほどあついスチームの中、みんなで歌や祈りを捧げつづけた。
合計1、2時間ほどの儀式が厳かに進行された。
アダムの進行で、母なる大地、父なる天、グレートスピリッツ、先祖、家族、友人に祈りをささげ、歌を歌い、一人ひとり願いを語り、セレモニーはすすんだ。
スエットロッジを終えたあとは、今まで感じたことのない心身の軽さを感じた。
自分にとって不要なものを手放せた感じ。
浄化されるってこういう感じのことをいうのかなぁしみじみと思った。
スエットロッジが終わると外にキャンプファイアーが用意されていた。
火のまわりにすわったり寝転がったりして、しばらくみんな無言で夜の涼しい風と星空を楽しんだ。
このときの爽快感はほんとうに最高だった。
そしてそのあとみんなでおいしい食事をいただいた。
日本のことを話したり、それぞれの国の違いについてみんなで楽しく語り合った。
このスエットロッジでわたしが最も感じたことは「感謝」。
自分のまわりのすべての存在に、現象に、そして自分自身に対して、とてもありがたく尊いものだと感じた。
今日はほんとにすばらしい一日だった。
アイルさん、アダムやみんな、本当にありがとう。