2009.10.14
ベリーズバリアリーフでシュノーケリング
今日はシュノーケリングツアーの日。
昨日宿の近くのツアーオフィスで申し込んでおいたシュノーケリングツアーだ。
いろいろツアーオフィスを周ってみたけれど、ここの受付のおねえさんが一番話しやすくて丁寧だったのでここのオフィスに決定した。
この2、3日キーカーカーの島周辺で泳いでみたけれど、島の周りは透明度も弱くあまり魚もいないので、モトキと話し合って沖の方まで船で連れていってくれるシュノーケリングツアーに参加することにしたのだ。
朝、指定の時間にオフィスに向かうとすでに何人かのツアー客がいて、オフィスの裏にある小さな桟橋からこれまた小さなゴムボートに乗り込もうとしていた。えっ !こんな小さなゴムボートで今日一日ツアーするの?と思っていたら、どうやら沖に停泊しているヨットまでこのボートで向かうとのこと。
ちなみに今日のツアー客の9割は10代のアメリカ人の女子学生さんたち。彼らのあまりに元気なはしゃぎっぷりに今日一日ついていけるか若干不安がよぎる三十路のわたしたちだった。
ツアーはお客さんが15人ほどに対して、スタッフは屈強な2人のカリビアンのおにいちゃんと、一人の屈強なおねえさんの3人。
船に全員乗り込むと、大音量でレゲエが流れはじめ、おにいちゃんたちのノリの良い自己紹介がはじまった。
ツアーの簡単な説明があり、ゆったりカリブ海を眺めている間に沖に着き、いよいよツアーがスタートした。
まずはベリーズバリアリーフを観察するようだ。
バリアリーフの上を2班に分かれて1列になって泳いでいく。
さんご礁が手に届きそうなぐらい近い。こんなたくさんのさんご礁を見るのは生まれてはじめてだった。
海の中は静かで、青く透明で、たまに目の前を通る魚たちが太陽の光でキラキラと銀色に見えた。
まさに別世界。
海の中がこんなに静かでキレイだということを初めて知った。
だいぶ沖の方までみんなで泳いでから、自由タイム。
モトキと二人でさんご礁の間をゆっくり泳いでみた。
わたしが先頭で泳いでいると、モトキが後ろで急にバシャバシャし始めた。
旋回してモトキの方に近づいていくと、さんご礁のあたりで「イタッ!イタッ!」ともがいている。
わたしがモトキに近づく前に、アメリカの女子学生の一人がモトキに近づいてきて何かキツイ口調で言いはじめていた。
どうやら「さんご礁の上に立つなんて最低!」みたいなことを言っている。
そしてその女の子はわたしの方にもやってきて「世界遺産のさんご礁を踏むなんて最低です。彼にさんご礁を踏ませないようにあたなも注意すべきよ」とかなりご立腹の様子だった。
「すみません。注意します。」と言ってモトキの方へ行ってどうしたのかたずねると、さんご礁で足を切ったらしく、切った箇所を見ようともがいているとさんご礁に足が当たってしまったとのこと。
「で、さっきのおねえちゃん何をやいやい言うてんの?」と素っ頓狂な顔のモトキ。
わたしが事情を説明すると
「そんなん言われてもなぁ。だいたいオレの血をかぎつけてサメが襲ってきたらどうしてくれんねん。あのねえちゃんも道連れやでっ」
と2センチと切れてないかすり傷を誇らしげに見せて主張してきた。
そんな傷で襲ってくるわけないやん……。
そうこうしてるうちに自由タイムは終了。
ちょうどお昼なのでランチタイムということになり、ツアーに含まれているサンドイッチが船上でふるまわれた。
ボブ・マーレイのレゲエがいい感じで流れるヨットの甲板で太陽の光をいっぱいにあびながら、青いカリブ海を前に食べる魚のフライがはいった大きな大きなサンドイッチは、なんともいえないおいしさだった。
「おいしいねー!」とサンドイッチを方張りながらモトキを見ると、がっくりと肩を落とした姿が。モトキは船酔いとたたかっているので食欲はぜんぜんないらしい。モトキは自分でも言っていたけれど、もともと陸上部なので陸の方が合うそう。泳ぎに問題はないのに、合うとか合わないとかがあるもんなんだなぁと不思議に思いながら、モトキのサンドイッチもありがたくいただいておいた。
ランチのあとしばらくしてツアーは再開。
サメと泳いだり、エイと泳いだり、海がめを見たりととても充実した内容だった。
けっこう泳ぐほうが好きなわたしはかなりツアーを満喫。
でもツアーの合間に泳ぎながらたまに振り返ってモトキの生存を確認してみると、手と足をダランと下におろしてクラゲのようにプカプカ浮いていた姿をよくみかけた。船に戻ってから聞いてみるとモトキなりに楽しかったらしいので、とりあえずよかったよかった。
ちなみにツアーのあいだ少し遅れ気味のわたしたちをずっと気にかけてくれたスタッフのおにいちゃんがいた。
ティーンエイジャーの集団から少し遅れるわたしたちに、いつも笑顔で寄り添って泳いでくれたおにいちゃん。
いろいろ話していると、おにいちゃんはかなりの親日家みたい。おにいちゃんは日本語で覚えにくいはずのわたしたちのファーストネームをすぐに覚えてくれたし、甲板でも「お茶はたりてる?」「フルーツはある?」「寒くないかい?」といつもやさしく声をかけてくれた。
帰りの船で「船の上に掲げてあるドクロの黒い旗、かっこいいね」とモトキと激写していると、そのおにいちゃんが来て
「これはボクの旗なんだ」と誇らしげに説明しはじめた。
「この旗を見ると恐れをなしてほかの船は逃げてしまうんだよ」とイタズラっ子のような笑顔で説明するおにいちゃんに
「まさにパイレーツ・オブ・カリビアンだね」と言うととてもうれしそうに
「その通りさ」と笑っていた。
素敵なツアーをありがとう。おにいちゃん。