Home > ブログ > 10月19日のブログ

ブログ

2009.10.19

まるで万博?エプコットへ!

今日も朝からはりきってエプコットというディズニーワールドのディズニーパークへ向かった。

このエプコットは1982年に2番目のディズニーパークとして開園した。現在や未来のテクノロジーをテーマにしたフューチャー・ワールドと、「世界を周る」ことをテーマにした万国博覧会のようなワールド・ショーケースのふたつのゾーンから構成されている。

 

エプコットに入場するとまず目を引くのがこの銀色の球体。フューチャー・ワールドゾーンの目玉、スペースシップ・アース館だ。

091019_01

ここではゆっくりとタイムマシンに乗って、人類のコミュニケーションの進化を体験できる。銀色の球体は直径50m。この大きな球体の中で人類が2足歩行する前から、IT革命を経た現在、そして近未来までの3万年を15分間で体験できるアトラクションとなっている。まずは4人乗りの乗り物に乗り込む。2人一組で座る座席の前にはタッチパネル式の画面があり、言語が選択できるので日本語でアトラクションを楽しむことができた。またアトラクションの途中で撮影される自分の顔写真は、アトラクションの最後に観る近未来シミュレーションで使われる。自分の顔写真のキャラクターと一緒に近未来の映像を見て、乗り物を降りたあとその映像の一部を無料で自分のメールアドレスに送るサービスもあった。

091019_02

 

この写真を見ていただけるとおわかりかもしれないけれど、なぜかこの日モトキは非常にテンションが低かった。とくにケンカしたということもないし、宿泊しているホテルも申し分ないきれさで、とくに心配ごとがあるわけではないのになぜか楽しもうとしていなかった。理由を聞いても「あぁん」という言葉にならない力の抜けた声を発するだけ。体調も悪いわけではないようだ。ただ、こういう楽しい場所に来ているのにテンションの低い人が横にいるとなんとなく盛り下がるものである。この上の写真撮影のときも「ほら笑って!」というわたしの声がむなしくアトラクション内で響いただけで、モトキは真顔で写ってしまったのであった。

 

2つ目のゾーン、ワールドショー・ケースのゾーンでは大きな湖をかこむように各国のアトラクションが並んでいる。アメリカ館、イタリア館、フランス館、メキシコ館、モロッコ館などなど。まるで万国博覧会のようだ。日本館もあったので、わたしたちはさっそく日本館に向かってみることにした。モトキは「まぁまぁウマイことコピーしてるやんけ」と上から目線の感想を述べたあと、もくもくと歩いていた。日本館の前の湖には広島にある宮島のような朱色の鳥居が立っていて、陸地には天守閣や五重塔などがあり、作りもけっこう本格的。

091019_03

ここには百貨店「三越」のレストランやおみやげ物屋さんがあり、おみやげ物屋さんには扇子や浴衣、キーホルダーなど日本のいろんなお土産がならんでいた。日本ではめずらしくない商品をとても興味深げに手に取っている外国人を見ているのもなかなかおもしろかった。また日本館のスタッフはみんな日本人なので日本語で「いらっしゃいませ」と言われたりして、アメリカのディズニーワールドにいるとは思えない不思議な感じがした。

と、ここでモトキが「なんやあれっ!」と今までにない喜びに満ちた表情をしてわたしの横を軽やかに走り去って行った。ちなみにモトキの視力は2.0である。小学校のときは視力が2.0の人もよく見かけたけれど、大人になっても視力2.0をキープしているのはわたしの知っている限りモトキだけだ。今までのテンションはなんだったのか、「おい!ええからこっちきいや!」と遠くからモトキの弾んだ声が聞こえてきた。モトキの低いテンションをそこまであげたものはなんなのか、気になって向かってみると、そこは日本食のエリアだった。

インスタントのカップうどんや、レンジでチンする白米に、レトルトカレー、せんべいや駄菓子などの日本のお菓子もたくさん置いてあった。アメリカの食事に深刻に疲れていたわたしたちは「うわぁ~~!!なにこれ、すごい!!」と目をギラギラさせながら食品を次々に手にとって物色しはじめた。今日もハンバーガーにする?としょんぼり話していた矢先だったので、どんべいや白米、せんべい、かりんとうなどを見ていると、ミッキーを見たときよりもわたしも興奮してしまった。まるで宝物を見つけたような気分だった。食べることが大好きなモトキは今までのふてくされた小学生のようなテンションはどこへやら、宝物を見つけた子どものように顔を輝かせていた。

 

本場のディズニーワールドで日本食を大量に買う日本人はめずらしいみたいで「こちらに長くお住まいなんですか?」と何人かのスタッフからたずねられた。「いえ、まだ日本を出て1ヶ月ほどです……」と小さな声で答えながらどんべい類をカゴに入れ続けるわたしたち。ちょっと情けないなと思いながらも、これでしばらくアメリカ特有の大味の食事から抜け出せると思うと、わたしもどんべいやレトルトカレーをカゴに入れる手をやすめることはできなかった。

けっきょくディズニーグッズはひとつも買わず、わたしたちはミッキーマウスがプリントされたディズニーの袋いっぱいにどんべいや白米、せんべいを買い込んだ。日本館をあとにするとき、モトキは言うまでもなくご満悦の表情だった。

 

ワールドショー・ケースでは、メキシコ館やモロッコ館、ドイツ館など各国のアトラクションを見学し、今まさにわたしたちが行おうとしている世界一周旅行の疑似体験を経験できた。モトキも戦利品を手に、あがったテンションで心から楽しんでいるのが隣にいてよく伝わってきた。とくにモロッコ館では、わたしたちはまだ見たこともないアラブの文化に思いをはせて、モロッコ館を見学しながらまだ見ぬモロッコの地をわくわくしながら想像してみた。

091019_04

ここフロリダにあるエプコットの各国のアトラクションで世界一周気分を味わえるだけでもとても幸運なことなのに、わたしたちはこれから本当に世界一周をするんだから、なんて幸せものなんだろう。

モロッコ館をあとにしながらひそかな感動に心が震えるのを感じた。

ページトップへ戻る