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2009.11.03 その1

南米式飛行機の搭乗ルール

朝、熱が37度半ばまでさがり、空港へ着くころには身体のダルさもマシになっていた。

朝7時20分発の飛行機に乗るため、わたしたちは夜中の3時に起床。

空港まではタクシーで15分なので、4時前には空港に到着した。

ちょっと早く着きすぎでは?と思われるかと思うけど、南米ではこれが鉄則。

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南米では、飛行機が出発する時間の最低でも3時間前には搭乗手続きを済ませておかないと、飛行機に乗れないという事態に遭遇するらしい。石倉さんから教えてもらった南米のルールだ。

 

南米の航空会社は、基本的に座席数よりもかなりオーバーブッキング気味に乗客をとっているらしく、その座席数からはみでた乗客たちは座席がないため、当然ながら飛行機には乗れない。搭乗手続きの終わりの方に来た乗客たちにオーバーブッキングが適応されるため、南米で確実に飛行機に乗りたければ最低でも飛行機の離陸時間の3時間前には搭乗手続きをしないといけないとのこと。なんとも不思議なルールである。

 

地元の人ももちろんこのシステムを知っているので、出発時間の3時間前に搭乗手続きカウンターに着いたわたしたちの前には、なんとすでに30名ほどの人たちが並んでいた!さすがにわたしたちが一番ちゃう?と話していたわたしたちは、その光景を見て絶句した。

 

さすが地元民。

 

南米式のルールをわきまえていらっしゃる。

 

眠い目をこすりながら搭乗手続きのスタッフがカウンターにやってくるのをぼんやり並んで待っていると、1時間ほどしてやっと搭乗手続きがはじまった。後ろを振り返ると、いつのまにかわたしたちの後ろには長い長い列ができていた。

 

搭乗手続きカウンターを見ると、1番前に並んでいた鮮やかな緑色のTシャツを着たおにいちゃんが、搭乗カウンターにいるスタッフになにやから身ぶり手ぶり大声で話している。

 

スタッフもいつにも増して高いテンションで対応していて、何かトラブルでもあったのかなと思わせるような雰囲気だ。すると、おにいちゃんとオソロイのTシャツを着た20名ほどの仲間らしき人たちがあちらこちらからワラワラ集まりだした。

 

目を細めてオソロイのTシャツの背中に書かれた文字を読むと「MTV」と書かれている。どうやらみんなMTVのスタッフらしい。ということは…、この時点でわたしたちが搭乗手続きをする順番は、私たちの前に並んでいる人たち30人 + MTVのスタッフ20人で、50番目ということになってしまった。

 

すると緑色のTシャツ軍団がアリのようにいっせいに右往左往に動き始めた。あちらこちらから南米の大きな楽器やら機材やらの荷物を数え切れないぐらい持ってきて、搭乗手続きカウンターの前にキャンプファイアーの焚火のように山盛りにして並べている。

 

「あの荷物全部積んだら、もう人間は乗れませんとか言うんちゃうやろな。」と、モトキがボソッとつぶやいた。ちなみに寝込んでるわたしの代わりに、モトキはわたしの分の荷物もパッキングし、明日観光する予定のリマの情報を夜遅くまで調べたりしてくれていたみたいで、昨日は2時間しか寝ていないらしい。寝不足でフラフラのモトキと、病み上がりで微熱のあるわたしの目の前で、尋常な数ではないMTVスタッフの荷物がようしゃなくてんこ盛りにされていく。もし搭乗できなければ、今日はホテルに戻って明日出直すしかないなと腹をくくりながら、3時起きが無駄にならないように祈るばかりだった。

 

30分ほど経つと、緑色Tシャツ軍団の搭乗手続きがやっとこさ終わった。ハラハラして搭乗手続きの順番を待っていたわたしたちも、なんとか無事にめでたく搭乗できるはこびになった。3時に起きて、搭乗手続きを冷や汗を握りしめながら待って、やっとこさありついた機内での朝食は、格別においしかった。

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でも「飛行機に乗る」だけでなんとヒヤヒヤしてげっそりさせられる国だろう。

しかし、南米での特殊なルールは飛行機だけではなかった。

まさにここからが、本格的な「南米」のはじまりだったと、のちにペルーで思い知らされるわたしたちだった。

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